イノベーション政策研究センター2024年度アニュアルレポート
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CIP ANNUAL REPORT 2024表 2. 分析対象とした導入機器と対応施設数表 1. 実施スジュール実施内容9月調査設計への助言データの受領データクリーニングデータ解析報告書作成10 月 11 月 12 月 1 月2 月課題類型見守り支援移乗支援職員連絡(インカム)コミュニケーション3 月検証機器株式会社バイオシルバー「aams」株式会社 FUJI「Hug」Shokz「OPEN RUN」 富士ソフト株式会社「パルロ」対応施設数10 施設3 施設6 施設3 施設25化促進事業委託」の一環として、株式会社善光総合研究所からの委託を受け実施したものです。目的は、介護現場におけるロボットおよび ICT 機器の導入が生産性向上に与える効果を検証することにあります。  背景として、国内における人口減少と超高齢化の進行に伴い、介護現場では労働力不足が深刻な課題となっています。このような状況下で、介護サービスの質と量を維持?向上させるためには、テクノロジーを活用した生産性向上が不可欠です。本研究では、実際の介護現場のニーズを踏まえて選定された 4 種類の機器(見守り機器、移乗支援機器、ヘッドセット型インカム、コミュニケーションロボット)を対象施設に導入し、導入前後における業務の変化を比較分析しました。 本 研 究 の 実 施 期 間 は、2024 年 9 月から 2025 年 3 月までとし、主に 3 つのフェーズで構成されました。初期フェーズ(9 月)で は、効 果 検 証 の 計 画 策 定 にあ たり、委 託 元で ある株 式 会 社 善 光 総 合 研 究 所 および 神 奈 川県 に対し、調 査 項目に関 する助 言を行 いました。中 間フェーズ(1 月? 2 月中下旬)では、株式会社善光総合研 究 所 が 介 護 事 業 所で 実 施した 事 前 検 証 および 事 後検証のデータを 2025 年 1 月より受領し、データのクリーニング 作 業を開 始しました。この 作 業 で は、受 領したデ ータを解 析ソフトウェアで の 読 み 込 みに適した形 式に加工?整形し、2 月中下旬にかけて完了しました。最終フェーズ(2 月中 下 旬 ? 3 月)で は、クリーニング 済みのデ ータセットを用いて記述統計 および 統計解析を実施し、その結果を本分析結果報告書および 概要資料としてまとめました。概要 本研究は、神奈川県の「令和 6 年度介護ロボット実用進□状況(1)スケジュール (2)実施内容 本研究では、介護施設におけるロボット?ICT 機器導 入 による生 産 性 向 上 効 果を検 証 するため、事 前 事後 調 査(pre- and post-survey)デ ザインを 採 用しました。神奈川県内の介護施設を対象とし、約 1 ヶ月間 の 事 前 検 証 期 間 の 後、約 1.5 ヶ月間 の 事 後 検 証 期間を設定しました。データ収集は、各施設の職員による自記式回答方式で行い、収集されたデータに対して記述統計と統計解析(線形回帰分析)を実施しました。統 計 解 析で は、機 器 導 入そのもの の 効 果(単 回 帰 分析)に加え、結果に影響を与えうる共変量(年齢、性別、身長、体重、介護業務歴等)や、観測されていない潜在的な影響要因(固定効果)を考慮した分析も行いました。  具 体 的な分 析 対 象 機 器と、それ に対 応 する施 設 数は以下の通りです。導入機器に関する主な分析項目は以下の通りです。見守り機器?集計結果?見守り機器導入による、職員の業務時間への影響?見守り機器導入による、職員の活動量への影響?見守り機器導入による、訪室回数への影響移乗支援機器?集計結果?移乗支援機器の導入が、職員の腰痛に与える影響?移乗支援機器の導入が、SRS-18 に与える影響職員連絡(ヘッドセット)?集計結果?ヘッドセットの導入効果?ヘッドセットの導入が、職員の SRS-18 に与えた影響福祉の科学化に関する探索的な研究(介護現場における生産性向上に関する探求)

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