CIP ANNUAL REPORT 2024研究メンバー24プロジェクトリーダー 根本 裕太プロジェクトメンバー □ 雄一 島岡 未来子 成松 宏人 鈴木 志保子 片岡 沙織 中西 朋子 実際の様子概要 eスポーツ(対戦型のコンピューターゲーム)は若い世代を中心に人気が高まっており、認知機能改善効果も期待できるとして高齢者の介護予防にも活用され始めております。しかし、高齢者におけるeスポーツの健康効果はこれまでほとんど検討されておりません。 本プロジェクトは、地域在住高齢者に対して eスポーツに着目した介護予防プログラムを提供し、行動変容および身体?認知機能への効果を検証することを目的としております。進□状況 2024 年度は以下の介入プログラムを実施しました。 神奈川県横須賀市およびその近隣に居住する高齢者26 名(介入群 12 名、対照群 14 名)を対象に介入群と対照群に割り付けました。 介入群に割り付けられた高齢者は、会場(神奈川県立保健福祉大学)に週 1 回集まり、90 分程度のプログラムを実施しました(全12回)。プログラムでは、eスポーツ(リズムゲームやパズルゲームを用いた参加者同士の対戦)を 60 分、準備運動(体操および軽度の筋力トレーニング)を 15 分、健康講座(栄養?口腔に関する内容の講話)を15 分実施しました。対照群に対しては、介入群にプログラムを実施している期間中(12 週間)は待機していただき、介入後の測定?調査が終了した後に、eスポーツおよび健康講座のプログラムを 3 回実施しました。 介入効果を検証するため、介入期間の前後に各評価項目について測定を行い、介入期間前後の変化量を群間で比較しました。評価項目は、健康指標(痛み、精神的健康度、主観的健康感)、生活機能(日常生活動作能力)、身体指標(身長、体重、血圧、体組成)、身体機能(握力、歩行速度、バランス、複合移動能力)、認知機能(全般的認知機能、注意?実行機能、視覚性記憶範囲としました。 また、介入群の対象者の方には、各教室の前後で多面的感情状態尺度に回答していただきました。から楽しめるプログラムである。?回を重ねるごとに対象者は教室内で得られる対象者同士のつながりや交流を心地よく感じるようになった。?介入群(eスポーツを実施した群)は対照群と比較して最大歩行速度が有意に改善した。研究成果 eスポーツ教室を実施することによる効果として、以下のことが示唆されました。?eスポーツ教室は、eスポーツ未経験者であっても初回今後の計画 2024 年度に実施した介入研究で得られたデータの分析を進め、探索的に eスポーツプログラムの効果を検討いたします。本研究成果は、日本老年社会科学会 第 67回大会(2025 年 6 月 28 日?29 日に千葉県で開催)のシンポジウム 3「デジタルでつながる健康長寿のまちづくり?ゲーム?eスポーツの活用実践と今後?」にて講演予定です。また、学術論文として発表する予定です。eスポーツによる介護予防効果の検討
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