イノベーション政策研究センター2024年度アニュアルレポート
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CIP ANNUAL REPORT 2024 16の不足、(2)世界標準の対策からのエビデンス無き逸脱、(3)社会的弱者を優先的に支援する視点の不足といった問題解決に資するため、本研究は以下の3つを目的としています。【目的 1】 独自の定量的分析を実施し、分析結果に基づく政策提言を行う。【目的2】 諸外国?国内自治体のガイドライン?対策の定性的な政策分析を実施し、分析結果に基づく政策提言を行う。【目的3】 社会的弱者を対象とする調査を実施し、調査結果の分析に基づく政策提言を行う。水処理場における定期的なサンプリングと下水検査結果(下水中のウイルス濃度、変異株の存在割合)の県庁のホームページでの公表を、2024 年度も継続しました(次頁図表)。インフルエンザ A 型?B 型についても10 月中旬から開始しました。10 月に国立国際医療研究センター(来 年 度から日本 版 CDC)國 土 理 事 長と面 談しました。12 月 4 日に日本医療政策機構の乗竹代表理事と、12 月27 日に厚労省感染症対策課と、1 月 29 日に神奈川県立病院機構理事長と面談しました。 2023 年に出版した経済評価論文の姉妹論文となる、下水処理場で下水サーベイランスを実施して、地域全体の(新規感染者数に相当する)感染レベルの損益分岐点を上回る(ないし下回る)時点で、地域全体の長期介護施設等にスクリーニングの開始(ないし中止)を勧める警告を出すことの経済効率の評価に関する英字論文を、査読付き学術雑誌に投稿し、4回目の査読中。 「公立?公的病院の再編?統合促進」の政策議論に貢献するため、医療機関の広義の経済効率の変化を検証します。長野県内の医療機関(佐久病院グループ)からデータ提供を受けて、「予防医療教育と高額医療の共存を可能にする診療報酬の探求」を実施するため次年度初めに面談を予定。 日本全国の主要都市で下水疫学検査を実施するという仮想的な政策について、日本在住の成人を対象に支払い意志額アンケート調査を実施しました。【目的3】日本国外にルーツを持つ人々を対象とする対面インタビュー(令和4年度:n=60)について、2023 年3概要 日本のコロナ対策の主要な問題である(1) データ分析進□状況【目的 1】 2022 年 11 月から開始した、神奈川県内の下月にインタビュー終了。データ解析および論文執筆を進行中。都圏1都3県の関係者ら(衛生研究所関係者を含む)の参加による下水疫学研究会を、2024年度からは隔月にて、継続して実施しました。7月12日の朝日新聞に、感染症対策としての下水サーベイランスの経済 性に関する取材記事が掲載されました。「医療経済学による下水疫学の評価?下水疫学最前線の6人が斬る!イノベーションと社会実装の課題」と題した特集記事を、月刊下水道47巻9号に寄稿しました(2024年7月発行、p.70-72)。8月2日に、一般社団法人日本下水サーベイランス協会主催「JWWSA第3回講演会?ポストコロナ社会における下水サーベイランスの活用と全国展開に向けて?」において「医療 経済学的観点から見た下水サーベイランスの費 用便 益 効果」と題し講演しました。2025年度科 研 費(基盤 研究B;研究代 表者:Yoo;課題名:「感染症対策としての下水サーベイランスの 経 済 評 価 」;期 間:3 年 間 ; 申 請 研 究 経 費:総 計20,000千円)が採択されました。 日本全国の主要都市で下水疫学検査を実施するという仮想的な政策について、日本在住の成人を対象に実施した支払い意志額アンケート調査(N=約2,500)のデータを分析した英字論文(Willingness to pay for nationwide wastewater sur veillanc e system for infe c t ious d i s e a s e s i n J a p a n )が 、英 国 R o y a l S o c i e t y o f Chemistryが出版するEnvironmental Science: Water Research & Technology(Impact Factor: 5.0)にアクセプトされ、日本語版のプレスリリースを本学?早 稲田大学?東京大学工学部から6月27日に発出。同日の日本経済新聞、7月20日の東京新聞、8月9日の日経バイオテクにそれぞれ掲載されました。英語版のプレスリリースを本学?早稲田大学で7月に発出し、世界のメディア報道のランキング上位2%に入りました。 EBPM プロジェクトは、下水疫学調査が日本国内では先進的な試みであったのも一因で、前年度に引き続き多くのメディアに報道されました。全ての目的の研究成果について、学術論文として出版することも次年度に向けた継続的な課題です。研究成果や政策提言、地域と活動の結果【目的1】2021年12月から月1回の頻度で実施してきた首今後に向けて 学 官 連 携 の モ デ ル ケ ー ス とも 呼 べ る【目 的1】の欧冠体育投注_足球365比分-直播*官网?パンデミックの公衆衛生対策プロジェクト

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