CIP ANNUAL REPORT 2024図 1 疾患別医療費について地区別?男女別?国保後期別に超過プロジェクトリーダー 渡邊 亮プロジェクトメンバー 岩根 泰蔵および標準化比を描いた地図例研究メンバー12保健医療データの活用が試みられています。しかし行政の現場では、「利用可能なデータについて」「データの加工について」などの疑問をクリアしながら一から独力で取り組むことは、なかなか難しいのが現状です。 そこで本プロジェクトは、主に国民健康保険(国保)のデ ータベースで ある、KDB=国 保 デ ータベースの 各 種データの抽出?加工?分析を通じて、健康増進事業の方向性を示すための情報を提供することを目的としています。神奈川県内の 1 市において、健康増進部門において生じた課題に答えられるような、データの加工および解釈の援助を行っています。います。これまで扱ってきたテーマは、以下のとおりです。 ○ 慢性腎臓病?人工透析と糖尿病の関連 ○ 要介護認定の併存疾患 ○ 健診受診と医療受療?医療費の関係 ○ 疾患群別の医療費 ○ 健診の有所見者割合 今年度は、健康増進部門における市内の地区割が、介護予防における日常生活圏域と□うよう変更されたこともあり、地 区 別 の「健 診 結 果 や 医 療 費 に関 する基 本 的なデータの整備」に取り組みました。また、国保被保険者に加えて後期高齢者のデータも合わせて扱いました。作業 に あ たっては、市 の KDB 端 末 に お い て定 型 帳 票 のCSVファイルをダウンロードしました。No.40(『医療費分析(1)細小分類』)の CSVファイルのデータを加工して、ピボットテーブルやグラフを作成しました。さらに、地区別の数値を地図に描画しました。その結果、健診の有所見者割合や疾患別医療費などに関する基礎的なデータを、地区別に概観することができました。とくに帳票 No.40 からは、長期入院者や人工透析?糖尿病合併症の医療費に関する情報の要点を得られました。 さらに今年度は、市職員を対象にした、用いた KDB 帳票とその掲載データに関する勉強会を 1 回開催しました。概要 健康課題に対する施策を考えるうえで、市町村が持つ進□状況 毎年度、現場のリクエストに応じたテーマに取り組んで研究成果や政策提言、地域と活動の結果 主に KDB 定型集計帳票 No.1(『地域の全体像の把握』),「使いつくす」ことを助けるものです。今後も、現場の疑問に応えられるような活動を進め、市町村がデータを利用しようと前向きになる環境づくりに関する知見を積み重ねていきたい、と考えています。 今年度は、基本的なデータの整備に取り組みました。ここで見られた地区ごとの差が、どこからどのように生じるかを体系的に見られるように、引き続き取り組んでいきます。また、健診および医療費の状況は経年変化が重要です。市全体および地区別の推移にも着目していきたいです。 今後に向けて 本プロジェクトは、市町村が自前で持つ KDB データを 市町村における保健医療データ活用プロジェクト
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