イノベーション政策研究センター2024年度アニュアルレポート
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CIP ANNUAL REPORT 2024概要目的10 高齢者の医療の確保に関する法律に基づ いて実施される特定健康診査 ( 特定健診 ) はメタボリックシンドロームやそのハイリスク群を抽出することを目的とし、抽出されたハイリスク群を対象とした特定保健指導により積極的な行動変容を促すことで、検査値や行動改善を通じ、糖尿病などの疾患発症を目指しています。特定健診?特定保健指導の効果測定や評価は国内外で行われていますが、これまでの研究は参加者全体での評価にとどまっており、より精緻な検討が必要であると考えられます。 そこで本プロジェクトは、各指標?検査値に影響を与える要因を探索し同定すると共に、その結果から得られる示唆を県?県内市町村に情報提供することを目的としています。趣旨 上記の目的を踏まえ、本プロジェクトでは、神奈川県の国民健康保険データベース(国保データベース; KDB)に含まれる特定健診?特定保健指導に関するデータを用いて、生活習慣や行動変容ステージ等を考慮した解析を実施し、各指標?検査値に影響を与える要因について検討を行いました。 進□状況 本プロジェクトにおける研究は大きく以下の 3 段階で構成した。(1) 特定健診及び特定保健指導の対象集団の特性を年度毎に分析(2) 特定保健指導への参加者有無間差異の特定と評価(3) 行動変容ステージ変化の分析 本研究では「特定健診受診者が特定保健指導の対象となった場合、その行動変容ステージのレベル ( 生活習慣改善意欲 ) によって特定保健指導に対する受診行動が異なり、特定保健指導の効果に影響している可能性がある。」との研究仮説を設定し、解析を実施しました。 そのために、2016 ? 2018 年度神奈川県 KDB データのうちおよそ 30 の市町村における特定健診?特定保健指導データから、服薬情報、既往歴などの医療に関する情報に加え、?喫煙、貧血、体重変化、運動習慣、歩行?身体活動、歩行速度、食習慣、飲酒、睡眠などの生活習慣に関する情報、およびメタボ区分や保健指導区分、さらに生活習慣改善意思など 112 項目に関して、個人レベルでデータを取得しました。 介入効果の高いサブグループ特定等を目的とした特定健診?特定保健指導の評価研究

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